と、いうわけで。今年の夏休みに久しぶりに興じたゲームに猛烈熱烈熱中プレイングした結果「ゲームっって…面白いやん?素敵やん?」とばかりにのめり込む。少々体調がよくなり外出も苦じゃなくなったある夏の日。英国紳士との謎解きゲームの続編を求めにゲームショップへ足を踏み入れた、まさにその時、その瞬間、ときめきは突然に!ジャジャジャーン!ついに…。ついに出会ってしまったのね…、わたしたち。これも運命…?うふふ…。ならば仕様がないわね。堕ちるところまで…一緒に…!!


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などと、どうにもこうにもしっくりこない陳腐な台詞をもごもごさせながらコチラを購入。ああ…。ついに…。ついに、ね。こういうのに滅法弱いとの自覚があったので手を出さずにいたのに…ああ。ううむ。そして案の定ド・ハマり中である。「なにかに猛烈にド・ハマりしたならばソレだけを熱烈に、執拗に、突き詰める」という最大の長所であり、短所にもなるなんて言わないよ絶対!を持つわたしは隙あらば否、生活時間や睡眠時間をさいてまで我が「ときめき」を「メモリー」する事だけにのめり込んでいるのだ。その様は完全なる中毒患者だ。


ゲーム内容は…というと察する通り。わたしであるところの主人公「はばたき学園生バンビ(ゲーム内で勝手に命名されるあだ名だからね!己で名乗り出したわけじゃないからね!)」が意中の殿方たちをときめかせるべく、恋に勉強!部活にバイト!友情にお洒落!学園イチのマドンナ「ローズ・クイーン」を目指し!そしてまさかの三角関係?!やらやらのせわしなくも甘酸っぱい、ときめきいっぱいの学園生活を送るというもの。


ゲーム開始早々は殿方たちの繰り出す台詞やらシュチュエーションやらに「もひーーーーーーっ!」とお尻の辺りがむず痒くなり我が羞恥心限界にて身悶えることしばし。が、しかし。ヒトってすごいね。慣れってすごいね。ゲームを進めるにつれむず痒さなど微塵も感じず「しゅうちしんておいしいの?」とあほうの子発言が飛び出るほどに。むしろ積極的に己からそのような台詞やらシュチュエーションを欲するのだ。さらに思い通りに事が進んだとならば嬉しさのあまり身悶える始末。殿方たちをときめかせるのが目的であるはずのバンビであるところのわたしが一番ときめいているのだ。


そんな主人公であるところのわたしであるところの「バンビ」なる少女はなんともけしからん!存在なのである。血気お盛んな少年たちを己からおデートに誘い、甘い言葉やら殿方好みに染まったりで抜かりなくそれなりの雰囲気を作り出し、スキンシップと称し散々弄り(実際にタッチペンを使い画面を通じてお触りできるという画期的なシステム)倒した挙句、迸る寸前の少年たちにせまり返されるや否や「…あなたこと信じてるから…」の一言で彼らの出口を塞いでしまうのだ!なんたる、なんたる…!!!本当にまったくもってけしからんのだ、バンビという少女は。と、いうかそんなけしからんバンビを操っているのは他ならぬわたし自身なのだが。あれ?いやだ…実はわたしって…!!バンビ、困っちゃう!


と、ときめきと同時にバンビに腹を立てつつもそういった己の知りたくなかった否、確信などしたくなかった、一番隠したかった部分をつるっと曝されなんとも言えない気分をも味わうのだ。その不快感と言ったら、もう。ううむ。ならばいっそ、実際に服を脱ぎ捨て、素っ裸のまま生活を営むほうが幾千万分もマシではないか!と思うほどだ、が、しかし!そういうギリギリな感情が徐々に快感へと変わり「ああ!もっと、もっと頂戴!」となるのだ。


そして、まさに今のわたしがそうであるように隙あらば否、わざわざこさえた隙でもって「今日はあと一時間だけ…。…あれから一時間過ぎたけれどもどうせなら次の月まで…。…次の月を越えたけれどもここじゃあキリが悪いからあともうちょっとだけ…。…ううむ、ここまで来たなら一気に卒業まで!!」というように翌5時に起床せねばならないこの身で深夜2時、3時までズルズルとときめきメモリ続ける快感に溺れてしまうのだ。ああ。ううむ。もう引き返せないのである。


と、まあこの文章量で「なにかに猛烈にド・ハマりしたならばソレだけを熱烈に、執拗に、突き詰める」という最大の長所であり、短所にもなるなんて言わないよ絶対!を余すところなくお伝えできたことであろう。そしてここまで長々つらつら綴ったことを至極簡単に申すならば「中年女、現在現実逃避中!」なのである。その一言、である。


中年女だからこそときめかせてよ!