ある日の息子

祈ろう祈ろう 全部捨てちまいな 金も靴もピカピカのギターも、はれ

  • いいにいさん、になるとよい!

1123(いいにいさん)の日に息子が2歳を迎えた。働くチチ、ハハが終日かけて息子の誕生を盛大に祝えるようにと祝日狙いで誕生した息子。生まれながらにしての孝行者。すでにいいにいさんの片鱗が。そんな息子が誕生した二年前。チチとハハの結婚記念日でもある1122(いいふうふ)の朝からイキみ出し「このままいけばダブル記念日ね。うふっ。」などと浮かれポンチな発言をしたハハ。出産なめてた。正直、そういうところあった。「自分、マジ余裕でぽろっと産み落としますし!!!」ぐらいのなめ腐った態度で挑んだ出産。そんなハハは「腹を切ってくれー!いますぐー!!テニスボールで尻をーーーー!!ぎいいいいいいい!!!」との発言を繰り返し、助産婦さんに「はいはい、お母さんはそんなこと言わないの。赤ちゃんがんばってるよ?ほらまだまだ!」と窘められていた。なめた態度のハハに戒めをとばかりに37時間腹の中で粘った息子。途中、長時間イキみ続けるハハを尻目に、二人のお母さんがぽろっ、ぽろっと赤ちゃんを産み落としていった分娩室。「やっぱりぽろっと産めるじゃないかあああっ!」と途切れる意識の中で叫んだ分娩室。そんなハハは23日夕刻になりようやっと息子との対面を果たす。感動よりも「やっと…!!やっと出てきた!!ヒョオオオオオオオオ!!」という解放&爽快感がまさり担当医とハイタッチかまあした分娩室。そんな分娩室の窓から見た夕焼け空はいままでみたどの夕焼け空よりも赤かった、二年前の1123。




そんな耐久37時間出産から一年経ち、息子もつかまり立ちを始めた昨年の誕生日。ハハの育休明け日であり、息子の保育室生活の始まりであるところの是即ち「無菌状態からの旅立ちの日」でもあった。一つ成長した息子は「これが社会の洗礼ぞ」とばかりにありとあらゆる菌に侵され続けた。下がらない熱。止まらない下痢、咳、鼻水。終わりの見えない小児科通い。復職したものの出社すら満足にできない日々。「幼い息子をこんなに苦しませ、職場にも迷惑かけ、こんな思いをしてまで働く意味が本当にあるのだろうか?」と負のループにがっちりホールドされたハハ。メンタルの弱さは肉体の弱さへと連鎖し、家族みんなで体調崩した昨年の1123。




4月から通いだした保育園生活にもなれ、おしゃべりもお歌も踊りも上手になり、「ぽちゃ(お風呂)いや!」「お着替えいや!」「(保育園)いかない!」「ねんねしない!」と口を開けば「いや!いや!ない!ない!」」ばかり。巷で噂の魔の2歳児の片鱗を見せ始めた今年の1123。息子の体調は…というと、秋のはじめに引いた風邪が治りきれず、垂れるがまま、なびるがままの鼻水でかわいいほっぺががびがびであるところを除けば食欲、元気ともにあり。パワーまんまんの日々を過ごしている。園生活の中では子供同士のいざこざでくっきり歯形をつけて帰ってきた時も泣くことなく「痛いねぇ」の一言で済ませた息子。小さいながらも持てる力目一杯で息子の世界を生きている。この一年でまた少し強くなった。そんな息子の姿を糧にハハも毎日頑張れる、そんな今年の1123。そんな今年の1123に息子がぽろりこぼした「ちいちゃん」という少女の名。園関係ということは察しがつくものの息子のクラスに「ちいちゃん」という名の子はいない。誰…だ?他のクラス…なの?未だ謎の少女である「ちいちゃん」。「ちいちゃん」の存在がハハ最大の関心になった今年の1123。