ゲゲゲのち、タイ

刈り上げのじょり感が失われはじめました、はれ

  • 一日

先輩事務さんから「あなたこういうのお好きでしょう?」とゲゲゲ展の招待券をいただく。当初は、派遣ちゃんと一緒に会社帰りにとの予定を立てていたのだがモロモロのきゅうで予定が合わず。断念。派遣ちゃんにフラれてしまったので数少ないわたしの理解者であるところのODB(おデブ)に同行を頼むことにする。先日の新木場サンセットもわたしの長所を遺憾なく発揮して獲た「とりあえず最大枚数を購入してから貰い手を捜すという無計画チケット」の貰い手のひとりになってくれたりと尻拭い的なことばかり押し付けられるとても優しいODB。因みに残りの貰い手はカヌー…。うん。まあ、アレだ。察する通り…だ。うむ。


新木場当日。御髪を整えたばかりの素敵!ネオ・ワカメヘアーであるところのわたしを見てODBが「ODBだって御髪を整えたい!ODBだって身奇麗にしたい!ODBだって御髪を整える権利はある!ぶがっ!」ということをおビール片手にぶがぶが申すので「ならば。ならばさっさと然るべき場所に連絡をいれて然るべき手続きをしなさいな」と申したところ運よく日ようびに「御髪を整える権利」を得ることができた。ならば。


ならば日ようびに御髪を整えた後、ともににゲゲゲ展に参らないかい?とお伺いしてみたところ一瞬。一瞬、眉を寄せたのち憐れみ菩薩のような眼差しで「…うむ…、いいよ」とのお返事をアルカイックスマイルとともにいただく。べ、別にわたしひとりでだって行けるけれど…、折角「ご招待2名さままで」って記載されているのだから2名で行った方がいいじゃない!け、けっしてひとりでは行けないとかそういうのじゃないんだからうわあああああん…とかなんとかぶちくち申しつつおビールをごぶんごぶん飲んでいたならすっかり酔っ払い。新木場サンセット…。あんなに苦労して手に入れたチケットだったのに…。ううむ。ああ。


そして迎えた日ようび当日。ほんの数日前にネオ・ワカメヘアーを手に入れた毎度お馴染みステレオヘアーにわたしは居た。そしてオサレサロンであるところのステレオヘアーの一角を完全漫画喫茶化し、雰囲気をブチ壊していた。実のところODBもわたしの紹介で素敵スタイリスト・ウメザワさんに御髪を整えていただいているのだ。わたしだってたまには良いことするのだ。尻拭いばかりはさせていないのだ!ヤー!


そんな風に己を励ましつつサロンの雰囲気をこれ以上損なわないように、「無」という存在になるべく気配をたたせずに読書に没頭するフリをしながら、なにやら楽しそうにウメザワさんやらアシスタントちゃんやらとキャッキャッするODBに羨望の眼差しを投げつつ御髪整え終了の刻を待つ。


すっかりキレイに御髪を整えられたODBとともに向ったゲゲゲ展は夕方18時を過ぎたというのに大盛況。会場は老若男女魑魅魍魎(妖怪たちのブロンズ像も展示されている)でギッチギチのぎゅう。原画の前などは書き込まれた水木漫画の背景のようにまったく隙がなかった。その様、まさに水木漫画。そんな風に水木漫画の一部になり気をよくしたわたしは出口直後に待ち構えていた「お土産コーナー」にて悔いのない散財をしたのであった。お財布はかすっかすになったが気持ちはぷっくぷく、である。うむ。