2009年も10ヶ月めですが、昨年に比べて本(漫画、雑誌等を含めて)を読んでおりません。そんなわけで毎度お馴染み書店巡回も滞りがちです。あらあら。今年の我が興味は、どうやら「本」ではないみたいです。あら、まあ。なんだかサミシイ。と、いうわけで一昨日。久しぶりに行った書店巡回でタイトルを目にした瞬間、「ぎゅっ、はうん!これは、これは!!」とハートを鷲掴まれ、表紙折り返しの作者紹介欄に記載された「第三回酒飲み書店員大賞受賞」(大賞を受賞した作品はコレではないのだが)に誰に向けるでなくひとり微笑み、力強く頷き、レジでチンと購入。

ときどき意味もなくずんずん歩く (幻冬舎文庫)

ときどき意味もなくずんずん歩く (幻冬舎文庫)


お、お、おもしろい!まだ読み止しだけれども、おもしろい!読み終えるのが、嫌。終わらせたくない。うむ。作者のちょうこだわの旅だったり、何の目的もなくただ旅立った旅だったりの旅行記エッセイ。わりと短めの一遍に本筋とは関係ない記述が唐突に挟み込まれ、そして唐突にオチのつかないまま終わり、また本筋へ戻るという、下手するとひどくとっちらかった、結局ナニが言いたいのかわからないよ!的な文章になりがちだけれども、その唐突具合が非常にヨロシな按配で思わずニヤニヤしてしまう。まわりくどく、べたべたと余分な言葉をくっ付けつつも歯切れの良い文章だので読みやすい。どちらかというとそういう文章を好むわたしにとっては、存分に楽しめました。作品中に漂う作者の「根拠などないけれど、絶対に○○なのだ!」という強気な判断やら価値観やら執着心やらやらが他人事とは思えず、親近感を覚える。ある。そういう感じ、あるよ。うん。と、いうわけで久しぶりの書店巡回でコレよ!の一冊を得ることができまし。うふふ。やっぱり本屋には足繁く通うものだ、な。うむ。それにしても、本当に読み終えたくないなあ。ああ。