曇りのち雨降り、夕方雨あがる。むしむし。

  • そうは言っても

土よう日に幽霊医院にて医師から申し渡された「栄養をとりすぎないようにね!」という言葉に早速反し、叔父の七回忌の席で振舞われたお寿司をぎゅうと、もう目一杯!と腹に詰め込んだ日よう日。ああ。ううむ。栄養云々と申し渡されても、そうは言っても、目の前にそうそう口に出来ない、回らない、板さん握りたて、活きの良いネタ揃いの寿司たちが並んでいるのに箸をつけず、我慢して巻物を頬張るだけの寿司好きがいるであろうか、いや―、である。脂の乗った中トロを手始めに、ホタテ、コハダ、甘エビ、タイ、ヒラメ、カンパチ、タコ、イカイクラ、タマゴやらやらを目一杯、ぎゅうと、「栄養云々」を頭の片隅の隅っこに追いやり、桶の中に並ぶ寿司たちを、文字通り片っ端から我が腹におさめたのである。申し渡された翌日に、栄養を存分に体内に取り入れてしまったのである。ああ。ううむ。そして本日、昨日存分に体内に取り入れてしまった栄養が回復しつつある我が皮膚に新たなる悪影響を及ぼさないかひやひやしながら過ごした。「そんなにひやひやするのだったらあんなに沢山食べなければよかったじゃあないか、寿司を。」「そうは言っても、ね。ううむ。だけれども、これは実際取り過ぎたよなあ、栄養を」などと独りぶちくち呟き、ひやひや過ごした月よう日。