王子はトラックに乗って、

おーさーえーきーれぬー僕の、はれ。

  • 日よう日のこと。

数多の殿方が属する我が心の王子部門において「絶対王子」の終身称号を贈らせていただいた唯一の王子。その王子の麗しいお姿を、神の子池の如く清浄なお声を、拝見、拝聴すべく我が田舎町方面では雪がぱらり、と落ちた冬の日よう日、サイタマすーぱーありーなへ行って参りました。


ステージ上の王子は燦然と眩い輝きでもって我が眼を捕らえて離さぬことしきり。そして甘く柔らかな声の中に隠し持った針で我がハートをずきゅずきゅとぶっ刺すことも、またしきり。ああ王子、わたしのハートは、もう、なす術も無いほど、手の施しようもないほどの血でまみれております。


と若干、否、ほとほとキッショい感じですよね、この感じ。もう、本当にどうかしていますよね。脳みそ半分以上でろんでろんですよね。三十路も越えに越えてるというのに何中学生日記みたいな事ほざいているのでしょうね、此奴は。と、いうかわたし。なんか、もう、砂漠で砂嵐にのまれた上にラクダに逃げられて目指す方向見失っちゃっえばいいのに。砂漠の砂一粒すらにもなれず、風に吹かれっぱなしで一生何処にも辿りつけなければいいのに。本当に、いや、マジでマジで。ああ、残念だ。この上なく残念、な事にこのキッショい感じはまだ続くのです、よ。ううむ。


ステージから発信され会場溢れんばかりに拡散した歌声にすっぽり包まれている間中、級友に薦められたのがきっかけで聴きはじめた中学生の時、その時から己が感じた、考えた、体験した、想像した、あらゆる事が奥底の底からむつむつと湧きだしブワーっと噴き出し、時を経る毎に忘れてしまった、消えて失くなりかけてしまった、欠けてしまった、部分をぷかりと浮き出し気付かせてくれたのです。そしてあの頃の、あの時の、あのわたしに戻してくれたのです。変わってしまった筈の何もかもも一緒に身につけたまま。


ああ、ああ、ああ!!ますます、ますキッショい!!!ああ、嫌。なに、もー、恥ずかしい、ん!!ああ!!があーがあーぎーーーー!!


兎にも角にも、「変わっていくけれども変わっていないモノがある」と阿呆の頓知みたいなことと「彼こそが、紛うことなきの絶対王子だわ!」というキッショい感でぷくぷくに膨らんでおります、NOW、わたし。