書店巡回中またもや店頭のお試し冊子をうっかり手に取り、がっつり既刊をお買い上げ。ごそっ、と抱えた本たちをレジでチンとするこの瞬間、大人になった喜びをぎしししと噛み締める。ううむ、幸福。ほくほくにやにや顔して捲る、捲る、捲るよ、頁。その瞬間もまた我が万福の一つなり。

町でうわさの天狗の子 1 (フラワーコミックスアルファ)

町でうわさの天狗の子 1 (フラワーコミックスアルファ)

町でうわさの天狗の子 2 (フラワーコミックスアルファ)
町でうわさの天狗の子 3 (フラワーコミックスアルファ)

「天狗を父に持つ主人公・秋姫がおくる恋あり、友情あり、天狗道あり、の青春ファンタジーブコメ」。

面白い。コレ、ホントウニ、面白イ。読み終えた側から、二度、三度、幾度となく繰り返し読みたくなるほどの面白さ。あまりの面白さ大爆発に堪えきれずコタツ布団を噛み締め、引きちぎるほど、です。

各話、どれもこれも、ここそこあそこ、と、余すところ無く良い具合のいユルさとおセンチさが漂っており、読後はふっくらほくほくの良い気分に。わたしはとりわけ第一巻収録の秋姫が幼馴染であるみどりちゃんとの友情をより一層深めるお話が好きでして、犯罪級に執拗な繰り返し読書にも手を弱める事無く我が胸をぎゅんぎゅん刺激し、目頭からは枯れることなく熱いものがつるつると湧き出ておりました。「いやあ、友達って良いね。大事だね、友達。うんうん。」と少女二人の友情に感動してみたり、読後は毎回いちいち「ああ、生きている!わたし、今、ここに生きている!!万歳!!」と生を実感*1してみたり、そして「この気分を味わうことこそが漫画読みの醍醐味だ!」とかなんとかよくわからないことをぶちぶち呟いたりした後、また読み直す。というようなことをしていたら連休はきれいさっぱり終わっていた。

そしてそして物語もさることながらコマの際際、細部までとてもとても丁寧に書き込まれているので(町の看板とか、通りすがりの通行人とか、学友の一言とかとか)それらにいちいちグフフっとするのもまた一興、かと思います。今年初買い漫画は続刊の発売が待ち遠しくて身悶えしちゃうほど大当。

*1:わたしは一度「これぞ!!」と思ったものあらばそればかりを延々と、飽きるまで、しつこくしつこく吸収し身体隅々、末端神経、毛細血管、細胞すべてを「これぞ!!」で満ち満ちいっぱいにすることでコタツ布団以外にも生への実感を噛み締めているのですが、今回も漏れなく、然り、です。