「お頼申します、ドスコイ」

オヤ!秋晴レ、オヤ!

  • 一日

本日、我が事務所は朝から誰も居ない。わたしひとりきり。久しぶりのひとりぼち子日。ブフー。嬉しいです、ブフー。ぼち子、大好き!ブフー!!請求書関係もきれいさっぱり片付いた、し、今日はぼち子を大満喫するざます。ブフー、と頗る機嫌良しで始まった本日。午前中はおティーでも頂きながらゆったりと事務所備品注文カタログでも眺めましょうかしらん?ブフフー。とロッカールームで企てる、も、事務所に入ってまず手に取ったのが、箒。無意識に、箒。そして「ブフー、ブフー、今日はひとお〜りぼち子お〜お〜」と節付きでぶちりニヤケ面で箒をセコセコ、所内清掃開始。そこ此処あすこから集まる塵やら綿ぼこりやらなんかよく分からないモノやらが増えれば増えるほど、ブフーブフーブフフー!!とさらに勢いづきますますのニヤニヤ面でもって、普段ならあえて見過ごすコピー機の裏まで箒をセコセコ。「わっち、箸より重いものは持ちやせぬ。」といい加減な事をぶちるこてが常、ミリも動かさないコピー機をぶりーんと動かしてまで、箒をセコセコ。コピー機を動かした、という事実にますます、ます、止まらぬ掃除欲。ああ、もっと我に塵やら綿ぼこりやらを!と天を一拝み。そして天からの啓示なのか、はたまた単に目についたからなのか、窓をビカビカに磨いたり、ポット洗浄中的な薬品をほうい、と放り込みごぼごぼさせたり、トイレのウォッシュレット洗浄をしたり、シュレッダーの屑をまとめたり、と普段以上にセコセコ、セコセコ所内清掃に勤しんだ。そうしてすっかり綺麗ビカビカになった事務所で満足しきりにほう、とため息一つ漏らし、つと思うは―何がわたしをセコセコ動かしたか―。ううむ、と答えを求め頭をぎゅうと捻り「はあて。綺麗になったのはとても、良い。が、此処までセコセコやるとは普段の我では考えられぬ。は、まさか、アヤツが…アヤツがやって来るのか…!!アヤツが…アヤツが…。…アヤツの仕業ならばこのセコセコ、合点がゆく。うぬぬ。」と行き着いた先は「女」。そうだ、この感じはまさしく「女」。「女」がやってくる前兆だ。確実に、そう遠くは無い未来に、「女」がやって来る。間違い無い。今週末に温泉旅行を控える我が身に、確実に、そう遠くは無い未来に、「女」がやって来る。アガガ。やって来るであろう「女」の影に怯えながら「どうにか折りをつけて温泉旅行後にやって来てはいただけぬものか」と我が下腹部に伺い立て続けたひとりぼち子の一日。どうにか、お頼申します、我が下腹部。