サクラ


えっ?


と、気づいたら2010年4月1日は3日も前に終わっていた。気の利いた、ユニークな、自己満足の嘘を一つもつかぬうちに2010年4月1日エイプリルフールは終わっていた。


気づいたら裏山の桜は薄い花色で空を淡く染め、川沿いに群れた菜の花は目に痛いほどの鮮やかな黄色で地平を染め、隣の家のこぶしの木からは真っ白い花がこぼれ落ちている。いつの間にか世界は新しくなっていた。


そしてわたしは自分がまた一つ歳を重ねたことに気づいた。