• 日よう日

まだまだ続くのです、神の国メモーンヌ。もうしばしのお付き合いを!


初・ひとり宿泊に興奮したからなのか、はたまた別の理由(お化けコワイ!)からなのか、なかなか寝付けずに迎えた朝。空模様は前日の予報どおりの「雨」模様。あらあら。そんな雨降り二日目はお昼まで各グループに分かれての自由行動。わたしは先輩事務員さん他2名とともにレンタカーを借りての市内観光チーム。ほかのチームもだいたい似たプランなのだが移動手段が公共機関の為早朝出発。我らはのんびり気ままなレンタカーだのでゆっくり出発。皆が、出発するころ朝食をとる。ウフフ、優雅。


優雅に朝食を済ませ、ぽつり、ぽつと弱弱しく降る雨の中、最初の目的地である日御碕神社へ向けて出発。道中「このくらいの雨ならば、全く問題ないね。傘をささずともしのげそうね。」などと安堵していた、が、日御碕神社に近づくにつれ雨脚は強くなる一方。「雨降り」というか「台風直撃」といった具合。当初は「日御碕灯台にのぼり、日本海の絶景に感嘆!その後、日御碕神社にて縁結び祈願!」の予定であったが、到着した日御碕灯台はいよいよもって台風上陸中。雨、風、ともに暴力的に吹きつけている。前線がご機嫌に通過中だ。

  右側にぼやけた灯台が。


駐車場に車を止めて、しばらく外の様子を伺うも、弱くなるどころか俄然勢いをつける風雨に、「今出たら間違いなく台風中継のようになるよ、ね。」「うん。」「…。」「…。」しばしの沈黙の後、「日御碕灯台には来たよね!」「うん、確かに来た!」と言いながら車内から灯台を写真におさめ、日御碕神社へと向う。

  日本の車窓からパチリ。
  クマ子といっしょにパチリ。


歩いて数分の日御碕神社に車で向かい、灯台と同じように車内から「日御碕神社に来た証拠記念」を写真におさめる。「ああ、でもせっかくだから縁結び祈願もしたいなあ…。でも、この雨じゃあ…」などと皆でブチクチ申していると、若干だが風雨が弱まる。「あれ、今、チャンスじゃない?」と言うや否やチャンスを逃すまいヤーッ!と参拝に向う。


  意を決して飛び出した。



チャンスを逃すまい!と勢いだけで車を飛び出したわたしは、財布やらなにやらを車中にまるっと忘れる。な、何しに来たのだ、わたしは!風雨が弱まった、といっても台風レベルじゃなくなっただけで傘をさしたところで全く用はなさないレベル、即ち豪雨。何度も往復はしたくない。ううむ。と困ったわたしは、恥も外聞もまるっと無視し、同行者にお金を借りてなんともご利益のなさそうな良縁祈願参拝をすませたのであった。しかもそのお金でお守り購入とおみくじも済ませた。


  風雨をしのげるのです。
  朱色!きれい!
  達磨さんが転んでるっ。
  500円です!


豪雨の中でそれなりに日御碕神社を堪能している、と、ずぶ濡れになった一行がやって来た。よく見るとそれはチーム・アダルティをワッキーが率いた「公共機関で日御碕巡りチーム」であった。彼らは暴風雨で遠景・絶景が全く望めない灯台にのぼり、ずぶ濡れになりながら日御碕神社へ参拝に来た。「いやあ、灯台にのぼったけれど何にも見えなかったよ。」「見てよ、こんなにズブ濡れ」だとかと二言、三言漏らし「我々はバスの時刻が迫っているのでこれにて」と参拝もせずに、ずぶ濡れになりながらバス停へと向っていった。何しにきたのだろうか、神社に。



その後我々は雨が弱まったり、強まったりする道中「レンタカー借りてよかったね。」「ワッキーとアダルティ…ずぶ濡れだったね。」などとレンタカープランを考案して正解だったねとお互いに称えあったりしながら次の目的地である「道の駅キララ多岐」へと車を走らせた。ほどなくして絶賛、前線通過中!のさなか「道の駅キララ多岐」に到着。建物から幾分か離れた場所に駐車したので、折りたたみ傘を用意して車外に出るも、さそうとした瞬間、強風に襲われ、傘を開きたいのにベギっ、と折りたたむ方向へ曲がる。そ、そんな!ギャヒーと、全く役に立たない折りたたみ傘を片手に雨の中走って建物へ向う。


「春から秋にかけてイルカの群れがみれますよ!」的な事が掲示された建物内の窓から件のビューポイントを望む、も、そこには荒れに荒れ狂う日本海の姿と、ガラスに叩きつけられる雨粒のみ。イルカ…。


  ビューポイントは荒れ狂う日本海
  クマ子、荒れ狂う日本海で何叫ぶ! 


イルカのことはまるっと忘れて、我らは道の駅キララ多岐名物の「いちじくソフトクリーム」を食べたり、出雲土産として「出雲そば」やら「ちくわ」やらやらを買い込んだりと、それなりに「道の駅キララ多岐」を堪能する。そうこうしているうちにそろそろ集合時刻。集合場所である「島根ワイナリー」へ向けて出発。

  いちじくソフトクリームだぜ。


島根ワイナリー」で皆と合流。ワイナリー見学後、昼食を取る。日よう日だったからなのかどうか、よく分からないけれどもまったく稼働していない、機械も動かない、静かで薄暗い工場部分を声がよく通るおねえさんの説明とともに見学する。まったくもって見応えの無いまま数分でワイナリー見学終了。


ここのワイナリーではご自慢のワインと一緒に「島根牛」をじゅうじゅう、もぐもぐいただけるレストランと、ご自慢のワインはいただけるが「島根牛」はいただけないレストラン、じゅうじゅうなしがあり、我々は後者でお昼。おいしそうに焼けるお肉の匂いをかぎながら、いたって普通のなんちゃらご膳を頂く。


日御碕で出くわしたずぶ濡れワッキー一行はどうやらあの後出雲大社まで戻り、大社付近で一番有名で一番美味しいとされる蕎麦やへ行き、それは美味しい美味しい出雲蕎麦とお酒を楽しんだからなのか、なんちゃらご膳についてきた出雲そば(もどき)をまるまる残していた。ワイナリーだというのになんちゃらご膳についてきたワインすら呑まずに、焼酎を頼んでいた。ワイナリーですよ!


昼食後は、公共機関移動チームは一度駅まで戻ってからバスで空港まで移動する為、レンタカー組のわたしたちはいったんサヨナラ。酔っ払いよ、さらば。


レンタカー組は出発の時刻までまだしばらくあるね、というわけで空港近くの「宍道湖自然館 ゴビウス」へ行く。こじんまりとした水族館ではあったがとてもよく出来ている。ちっさなお子ちゃんたちに交じって楽しむ。

  え、撮るの?
  自慢のしま柄を撮るがよい!
  タコ イン ツボ!


「お魚さんのお食事タイム」なるイベントを大熱中で楽しんでいたなら、ば、はっ!ひ、飛行機の搭乗時刻が!とあわあわの時間に。レンタカーも返さなければならない、急げ急げ!と空港へ向けて、神々しい田畑の間ブビューンと走り抜ける。迷惑をかけないギリギリの時刻で空港到着。先に到着していた公共機関チームに「遅いよー!もう、何杯呑んだと思ってるんだ!」と酔っ払い特有のよく分らぬブチ言を洩らされながら、おセンチに浸る間もなくあわあわと神の国を後にする。

  ぼやけクマ子とサヨナラ神の国空港。


と、いうわけでしれっと神の国メモーンヌでした。