ジャンクだぜ!

すっかり、秋空。くもり。

  • だってアナタがそれでもイイって言ったから!

と、いうわけで週末しれっとメモンヌです。

    • 土よう日

毎度お馴染み幽霊医院へ行く。幽霊医院もすっかり秋模様。草木が枯れ始めました。地球が回り季節が巡り、もっさりと草木が生い茂ろうが、はらはらと枯れ散ろうが、そんなことなどお構いなしに幽霊医院は年がら年中ひどく荒んでおります。そして幽霊医院に足繁く通う患者であるところのわたしのお肌もひどく荒れ荒れでございます。あらあら。まあ。

医師の忠告通り栄養を取り過ぎず、処方されたお薬もきちんきちんと服用する生活を心がけているというのに、だのに。一向に回復の兆しが見えぬ我が皮膚。ああ。もう。ナニが悪くて、ドレが良いのか全く分からない。我がお肌、迷宮入り。ああ。



診察室は、以前の陽気で愉快な老医師アワーから一転、倦怠期をむかえた夫婦のソレの如くお互いのため息ばかりがぷかぷかと漂う。停滞ムードむんむん。どうにかもう一度、二人で新しい明日を目指してみないかい?あの頃のように!とばかりに老医師が「実は…、まだ僕も試していない新薬があるんだけれども…。昨日、届いたばかりなんだけれども…。…試してみる…?」と告げる。そうね。あの頃のわたしたち…うん。やってみましょう、もう一度!とばかりにわたしが「…はい。試してみます。」とお返事。「うん。じゃあ、このお薬でしばらく様子をみてみましょう。あ、それとね。アナタと似たような症状の患者さんがこの後の診察にいてね。でね、このお薬はまだ一つしかないからその患者さんとあなたで半分づつね。」



と、いうわけで同じように荒れ荒れお肌のドコゾ誰某さんと仲良く半分こした新しいお薬を処方され本日の診察終了。次回は一週間後。


    • 日よう日

田舎電車に揺られ、久しぶりに通勤以外の目的で都会へ行く。昼近くの出発だったので都会へ到着する頃にはすっかり空腹。秋晴れ快晴!陽気なサンデー!にはまったく不似合いな不吉な和音をぐごぉおおんと鳴らしながら街をぶらつく。ぶらぶらとぐごぉおおんと街をぶらつく我らは一軒のラーメン店を発見する。近づいてよくよく見るとそのお店は「ジャンク」さを売りにしたラーメン店らしく、店頭のお品書きの説明としてジャンク度を★の数で表している。ラーメン店によく見受けられる、「当店自慢の魚介だし!」とか「当店自慢のこってりとんこつ!」やらではなく「ジャンク度」の説明だけ。魚介系なのか、こってりとんこつ系なのか、醤油味なのか、味噌味なのか、ナニ系ナニ味だのかがまったくわからない。しいて申すなら「ジャンク系ジャンク味」といったところであろう、か?店頭の情報から得られたのはそれだけだ。が、しかし。どちらかというとジャンクさをより好む我らは、暗黙の了解の後、「ジャンク系ジャンク味!大いに結構!」と同じようにジャンクさを好む同士たちの列の最後尾にちん、とおさまる。



順番を待つ間、店頭に張り出されたお品書きの★の数を数えたり、詳細写真を眺めたりしながら本日の一品を選ぶべく、吟味を重ねる。その結果、「ラーメン(★なし)」と「店長オススメ!まぜそばニンニク(★5つ)」の二つに絞り込む。ジャンクを好むもの、よりジャンクの道を行け!の精神で★5つの「まぜそばニンニク」に8割方心決まる、も、この後、まだまだぶらつく予定がある我ら。ニンニク臭をぷんかぷんかさせたまま、街をブラつくのは如何なものかしらん?それはお三十路越えた女性として如何なものかしらん?と心の奥底、僅かに眠る女心がむくり起きだす。ジャンクへ対する飽くなき探究心8割、女心2割の間で揺れる、ゆれるこの思いを身体中に感じる。



とかなんとかぶちくち考え込んでいるうちに早くも我らの番がやって来た。いよいよ決断の時、まさに、時は来た…!のである。券売機にんべべー、とお札を飲み込ませボタンを押すその瞬間まで悩みに悩んだわたしは、迷わず進めよ、ジャンク道!ヤァーっ!の精神に則り、又、同行者からの「にんにく臭くたって気にしないよ。どうせだったら星5つのにしなさいよ」との心強い一言におされ「店長オススメ!まぜそばニンニク(★5つ)」を選んだのである。我がジャンク道、一遍の悔いは無し!とばかりに食券を手渡し、席につき「まぜそばニンニク」が運ばれてくるのを待つ。



ほどなくして我が目前に運ばれてきた「まぜそばニンニク」はジャンク度5つ星の栄誉?にふさわしい、堂々とした、何処に出しても恥ずかしくないジャンク麺であった。見た目もさることながらお味のほうも流石のジャンク味。一口ごとにお口いっぱいに広がるにんにく味。そしてどこか懐かしいにんにく味。あら、わたし。この味知ってる…?と遠い昔のいつぞやに口にしたであろう、懐かしくもあるにんにく味に思いを巡らせながら、もぐもぐと5つ星ジャンクを腹へとおさめてゆく。



存分に、どうにかこうにか、これ以上はもう勘弁、と満腹ぷくぷく、もぎゅうと腹いっぱいにジャンク麺をおさめたわたしは、己が想像していたよりもはるか上回る、尋常ではない程のニンニク臭をぷんかぷんかと撒き散らしながら都会をぶらついた。つい数分前に「にんにく臭なんて気にしないよ」と心強い一言をなげかけてくれた同行者の「臭い!臭い!臭いからあんまり喋らないで!あんまり近くに寄らないで!ああ、臭い!」というどうにもこうにもなヒドイ仕打ちを受けながら、久しぶりの都会をぶらついたのであった。嘘つき!だからあれほど「★5つのにんにくは相当臭いよ!」って言ったのに!もう!



と、いうわけでそこはかとなく、ぷんかとニンニク臭かおる週末しれっとメモンヌでした。因みにジャンク麺のお味を一言で伝えるならば「ものすんごく強烈に、ニンニクが効いたハートチップル」です。