大渋滞のスワン。

くもり、雨。寒い。

  • 土ようびのこと

運よく手に入れる事ができたチケット片手に下北沢本多劇場にて観劇。スゲイ、よかったよかったよかった!ううむ、よかった!…やっぱ、よかった、よね?とかなんとか隙あらば余韻に浸り、ううむよかったよぉ。と繰り返し唸り続ける合間に、お値段もお味も接客もお客にやさしいホルモン焼き屋さんで、なんまらなホルモンとビールを食べたり呑んだりした。結果、よかった、うまい、を延々と繰り返すばかりのとても幸福な一日を過ごせた。

尋常人間ZERO
作・演出★鈴木おさむ
主演★今田耕司上原歩千原ジュニア町田マリー市川しんぺー小木博明

追記
舞台を観ていない人にはなんじゃらホイ?な感想メモンをづらづらと。(内容に触れていますよ。)

あらすじとかとか

高校教師・オオカワ(今田)が女子大生デリヘル嬢・サキ(上原)を5日間監禁した後に殺してしまう、というお話。監禁し殺人を犯す行為は「尋常」ではない、が、その行為を犯すに至ったオオカワの判断や心境は「異常」だったのだろうか。「尋常」と「異常」の境界はたった1ミリほどの差しかなく、時として何が尋常でどこが異常かの判断に正解はないのではないか、という内容がオオカワの同僚(千原、町田)、警察官(市川)、風俗斡旋業者(小木)たちの「尋常」で「異常」な欲望や行為も関わりながら時系列を遡り「結」から「起」にむけて進んでゆく。

メモンとかとか

  • 時間が遡り結末に至る過程が解るにつれ最後の決断をくだしたオオカワの判断は「尋常」だよ、と強く思う。
  • 登場人物各々が抱えている「異常」な欲望や行為は本当に「異常」とだけで済ますべき事なのだろうか。「理性」ある行動は本当に「正しい」と言い切れるのだろうか。
  • クボ(千原)が女子高生と交際をはじめたのは何故か。日々の蔑み(?)に対しての仕返しなのか、それとも恋愛感情が芽生えた結果なのか。後者だとしたらとサキ(元カノでクボに対して執拗なストーキング行為を繰り返す。)と連絡を取ろうとしたのは現彼女(女子高生)を事故死に見せ殺そうとした事への復讐の為か。
  • シリアスな展開の合間合間に挟まれる「お笑い」場面は話しの流れをぶつ切ることなく大変楽しめた。特にサキの告白シーンに挟まれるところなんて、もう、最高!であった。「手に職をつけたい」「実家」「君だけに」などなど。
  • 町田マリーさんのニクニクしさにヤラれっぱなし。不快感を感じさせないエロさ。見習うべきエロさ、エロ師範。
  • 「結」から「起」まで一通り終わりフラッシュバックのよう、再度「結」シーンへむかう演出は流石であった。そして再びの結末は悲しく、しょうがなく、でも多分いちばん綺麗な終わりかただ、と思う。
  • この舞台を観ることが出来てよかった、本当に。と思う。