若干赤いよ、犬さん。

そうだ、豆を。豆をまくのだ、はれ。節分。

  • 邪気を払うの、だ

朝、いつも以上にぼやぼやしていたせいなのかはたまた、意識を遥か光年まで飛ばしすぎたせいなのか乗り換え駅で乗り換え忘れる。気付いたらソコはこの世の果て否、乗り込んだ電車の終点であった。あああああ。と、ため息ぼろぼろ漏らし、己のダメさ加減にホトホト呆れ、然るべき駅を目指す。あああああ。
ようやっと到着した然るべき駅の、然るべきコンビニエンスストアーにおいて、然るべきあたたかあ〜いお茶を購入し、然るべき通勤経路を辿り、然るべき事務所を目指す。然るべき時間より若干、じゃあああああっかんだけ遅れた時刻に自席に着き、然るべき業務に取り掛かる。然るべき時間を費やして、然るべき書類を仕上げ、然るべき部署に提出する為に本社へと向う。
本日は本社近くの事務所に移った派遣ちゃんと素敵なランチタイムの約束をしていたので、本社へ行く前に派遣ちゃんの事務所に寄る。派遣ちゃん事務所近くのピッツアハウスにてひじょうに美味しいピッツアを食す。素敵なランチタイムを過ごした我らが「さあて、そろそろ…」とチンとお会計をしようと各々のお財布からお金を取り出すときに気付いてしまった。わたし、気付いたの。


黄色いマイネーム入りコジャジャ入れが無い事に!気付いてしまったの、だ!あああああああ!


朝、あたたかあ〜いお茶を購入した際にマイネーム入りコジャジャ入れからじゃらじゃらと支払った後、そのコジャジャ入れをコートのポッケにインした、はず、そう!確かにイン!したはずだと思っていたのに。だのに何故。ポッケの中にマイネーム入りコジャジャ入れが無い。無いの、だ。黄色い皮にマイネームが型押しされたコジャジャ入れが無いのだ。あああああああ。コジャジャは45円くらいしか入っていなかったのだけれど、も、ちょうお気に入っていたのですよ、マイネーム入りコジャジャ入れ。キレイな黄色い皮のマイネーム入りコジャジャ入れ。気に入っていたのに…。あああああああ。
終業時刻をヤキモキモキモ、キーッ!とむかえ「我がコジャジャ入れよ何処!」と血眼で通勤経路を捜すも、我がコジャジャ入れは無い。どこにも、無い。落ちていない。新品風な自転車やら片方だけの靴下やらキャベツ一玉やら椅子の脚やら脚立やらやらは落ちているというのに、わたしの黄色コジャジャ入れだけ、が、落ちていないのだ。
落としてから八時間以上も経過しているから致し方なし、ではあるが、がしかし。が、しかしである。使いはじめて早5年。使い勝手のよさから常日頃携帯していた我がコジャジャ入れは革製品特有の、よく言えば「味」、悪くは言いたくはないが些か「きちゃなさ」が染み出している代物。お金が全てのこの世の中。中身は諦めるとしても、些かきちゃない外身は持ち主以外、まったくもって魅力も愛着も無い代物。だからこそ「中身だけ抜きとり外身はその辺にポイと転がっているのではないだろうか!うむ、そうに違いない!」と花粉並の期待を胸に駅までの道を行く、も、結果は。ううむ。
ベッコリのへこへこになって改札に向かう、と、そこには盛り盛りの人だかり。ああ、コレはコレは。ううむ。改札に人だかり、是即ち、電車運行にナニかしらのトラブル発生。間違いない。うむ。あああああ。本日何度目かのため息を吐きだしながら駅員さんのアナウンスに耳をかたむければ「ただ今、列車は運転見合わせ中です!」との事。あああああああああああ。吐きだすため息も底が尽き、魂が抜け出ているんじゃないかしら?と思わずにはいられないほどの重い重いナニかしらを吐きだしながら振替輸送中の駅へヨチヨチと向かう。
うん。あるよ、ね。こういう日も。うん、あるよ、ある。うん。それにしたって「ああああああああああ。」だよう。モウイヤダヨう。あああ、ああ。