この時は頗る幸福だったのさ。

フンゴイ雨が降ったよ、でももう止んだよ。

  • 土日、そして月ようびのこと

春の陽気にすっかり誘われ、小さな春を探しに深大寺へ行ったのは土ようび。深大寺ではしごく美味しいお煎餅に舌鼓を打ったり、鬼太郎茶屋では、ふぬーふぬー鼻息荒くおチビツコさん達に混じり土産ものをいちいち一品づつ確かめたり、参拝したならば絵馬を眺めて、願う人がいる分満たされたい幸福の種類も様々なのだな、と思ったり(お母さんの懸賞200万円が当たりますように!)それはそれはひどく幸福な春の休日を過ごしたのだ、ここまでは。
その後、友人夫妻と待ち合わせをし、久しぶりーさあさあ呑みますよ!とがっぽんがっぽん呑み始める。ビールからはじまり、コロナの黒、赤ワイン、日本酒、梅酒。覚えている限りは以上。以上の酒種を三軒に渡り摂取。酔いがまわるにつれ、女は遠に去ったというのに泣きスイッチが入りさめざめどころかぐしゃぐしゃ、びえびえ泣く。非常に面倒臭い感じに出来上がる。そしてぺろーんだかべろろんだかえぐえぐしたまま帰宅、土ようびが終わる。
地球の自転よりも早いスピードでぐるんぐるんまわる頭でもって、酒粕みたいな臭いを放つ身体で迎えた日ようび。駄目、無理。けーっとしたまま、ぐたぐたのまま布団の上で過ごす。あ、そーいやー携帯電話の充電しないと、なあーとぼんやりしながらかばんをさぐる、も、携帯電話は見つからず。ぎゃ、だか、んぐ、だかを漏らし改めてかばんをひっくりかえすも、やはり携帯電話はそこには無い。ついに。ついに携帯電話に被害が及ぶ日がきたか…。心のそこに抱えていた不安が…ついに、きたか。頼りない記憶の糸を慎重に手繰り寄せ、昨夜の行程を思い出す作業をぐるんぐるんする頭で行う。そして立ち寄ったお店を一軒一軒巡り尋ね歩く、が、お店の人は首を横にふる。そうですか、ありませんか、お忙しいなかお世話かけました。ともごもご言い、自分のダメさ加減にいーっ、としたりため息を漏らし過ごした日ようび。
そして泥沼にずぶりと浸かったままむかえた月ようび。実は土ようびに訪れた一軒に、日よう定休日のお店があり連絡つかず。そしてそのお店が一番怪しい、土ようび一番ひどくべろろんとしたお店。実に怪しい、そして、多分、絶対、ソコにある、ある、あるのだ!と、あるあるある念じながら開店時間を待つ。開店時間になるやいなやお店に確認の電話を入れる、「あのー、実は…先日…けっ…」とみなまで言い終らぬうちに「あ、携帯電話でしょ?!あるよ、ウチに!よかったよ〜、連絡あって!」と。よかった、本当に、よかった。「ありがとうございます、そうです、わたしの携帯電話です。すみません、本当にありがとうございます!」とヒャッホイ言いながら電話をきり、終業後これまたヒャッホイワッホイしながら無事に携帯電話との再会を果たした月ようび。本当に見つかってよかったよ。